Tomlab Training

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2009年、アメリカ・スポーツ医学会(ACSM)は筋肥大 高負荷トレーニングを推奨

筋タンパク質の合成は最大負荷の60%以上でプラトーに達する(Kumar V, 2009)。 軽負荷でも運動回数を高めることによって高負荷トレーニングと同じ筋タンパク質の合成(Bard NA, 2010) 筋肥大の効果 = 総負荷量 (負荷量 × 運動回数)

Schoenfeldらは、総負荷量にもうひとつ 「セット数」を加えるべき 週単位のセット数で統制し、最適なセット数を分析(Schoenfeld BJ, 2017)。Schoenfeldらはこの結果から、筋肥大を最大化させるためには、1週間に10セット以上のトレーニングを推奨しています。

セット数の用量依存的効果は逆U字型の曲線に従う可能性がある。この推論は、Wernbom M, 2007やAmirthalingam, 2017らによる研究にもとづく. ACSM, Med Sci Sports Exerc 2009 (19204579) Kumar V, et al. J Physiol. 2009 (19001042) Burd NA, et al.  PLoS One. 2010 (20711498) Schoenfeld BJ, et al. J Sports Sci. 2017 (27433992) Wernbom M, et al. Sports Med. 2007 (17326698) Amirthalingam T, et al. J Strength Cond Res. 2017 (27941492) Ralston GW, et al. Sports Med. 2017 (28755103)

筋タンパク質の合成は一本一本の筋線維の収縮によって促進されるため、筋肥大の効果を最大化するためには、なるべく多くの筋線維を収縮させることが必要 総負荷量が高まれば高まるほど、収縮に動員される筋線維の数が増えることが示唆されています。 2018年、シェーンフェルドらは、25の研究報告をもとにしたメタアナリシスを報告 週の総負荷量が同じ場合、週の頻度は筋肥大の効果に影響を与えないことが示唆 Schoenfeld BJ, et al. Sports Med. 2016 (27102172) Schoenfeld BJ, et al. J Sports Sci. 2018 (30558493)

2022年、ビクトリア大学のGrgicらは15の研究結果メタアナリシス トレーニングを疲労困憊まで行っても、行わなくても筋肥大の効果に差がない

運動単位には、運動神経が数十本の筋線維を支配する「小さな運動単位」と数百本から数千本の筋線維を支配する「大きな運動単位」があります。 トレーニングの負荷量や速度が低い場合は、小さな運動単位が収縮に参加(動員)し、負荷量や速度が高い場合は、大きな運動単位が動員されます。 このように大小の運動単位を使い分けることによって、無駄な収縮による筋疲労を避ける仕組みになっています。 筋肥大の効果を最大化させるためには、すべての筋繊維を収縮しなければならないので、大小の運動単位をすべて動員させる必要があります。 そこでポイントになるのがトレーニングを「疲労困憊まで行う」ことなのです。

トレーニングの総負荷量が増えていくにつれて、最初に動員された小さな運動単位が疲労し、代わりに大きな運動単位が動員されるようになります。 そして、疲労困憊まで行うことによって大小すべての運動単位を動員させることができるのです。  

しかし、近年の筋電図学的研究はこれに疑義の声をあげています。 トレーニングを疲労困憊まで行わなくても、その手前ですべての運動単位が動員され、その後は動員がプラトーに達する可能性を示唆しています(Finn HT, 2014、Sundstrup E, 2012)。

トレーニングの経験者は未経験者や初心者よりもトレーニングによる筋タンパク質の合成反応が低下することが報告されています。 サンパウロ大学の研究では、経験者は未経験者と同じ強度のトレーニングを行っても、筋タンパク質の合成率のピークが速く、長持ちしないため、経験者の合成反応全体は未経験者よりも1/3程度まで低下することが示唆されています(Damas F, 2015)。 実際に同じトレーニングを行っても、トレーニング経験者は、未経験者よりも筋肥大の効果が低くなることが報告されています(Ahtiainen JP, 2003)。 Grgic J, et al. J Sport Health Sci. 2022 (33497853) Finn HT, et al. J Strength Cond Res. 2014 (24751657) Sundstrup E, et al. J Strength Cond Res. 2012(21986694) Damas F, et al. Sports Med. 2015 (25739559) Ahtiainen JP, et al. Eur J Appl Physiol. 2003 (12734759)